801: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 08:23:45 ID:ifqVG9tu0



婚約記念投下。



私子…当時大学生。

Aさん…おそらく30代のお客さん(よく来ていたらしいが、顔見知りの常連さんというわけではない)

A母

(彼男…私子の彼氏。当時遠距離してた。)

イケ男…私子と彼男の共通の友人。イケメン。



私子は和風カフェでバイトしてた。そこはレトロな制服がかわいく、働いてる子は清楚系が多い。

ただ私子はけっして清楚なタイプではなく、趣味はスポーツ、好きな服装はカジュアル系。

彼男と遠距離恋愛中だった。




804: 801 2010/05/15(土) 08:30:06 ID:ifqVG9tu0



暇な平日の日中、母息子の二人組み(AとA母)が来店。最初は「観光かなー、仲の良い親子だな」くらいの印象で、普通に接客してた。



しばらくして、「すみません」とA母に呼ばれた。お茶のおかわりかな、と思ってお茶を注いだ。

そしたら、A母がニコニコと話しかけてきた。



A母「あら、気がきくわねー」

私子「ありがとうございます」(そりゃ仕事ですから)

A母「それに、とっても可愛いわ」

私子「はぁ…ありがとうございます」

A母「あなた、学生さん?」

私子「はい。大学生です」

A母「何年生?」

私子「4年です」

A母「じゃあそろそろ卒業ね」


805: 801 2010/05/15(土) 08:37:25 ID:ifqVG9tu0



そこから、A母は「ウチの息子の仕事は…」と語り出した。ん? と思いつつも、暇だし、邪険にもできないのでうんうんと聞いていた。

そのうち「将来のお嫁さんには専業主婦になってもらいたい、同居したい」というようなことまで。正直、しらねーよと思ってたんだが。



A母「仕事もきちんとしてて、家もあるし、長男だし、女性からしたら良い相手だと思うのよ」

私子「あーそうなんですかねぇ」

A母「ね、だからどう? うちの息子と結婚しない?」



私ぽかーん。

…しかしまぁ冗談だろうと思って、「うふふ」と笑っておいた。



A母「あなた、就職決まってないんでしょ? 専業主婦に永久就職っていいわよ」(←私は内定済みですが)

私子「いやぁ、あのー…」

A母「実はね、息子からあなたを紹介されて…今日実際見に来て、本当に清純そうで良い子だなぁって思ったのよ」

私子「え? あのー、失礼ですが、私息子さんと知り合いじゃないんですけど…」



そしたらA母、「ほほほほ」と笑う。

A母「いやぁね、息子の一目惚れに決まってるじゃない」


807: 801 2010/05/15(土) 08:43:23 ID:ifqVG9tu0



決まってねーよ。しらねーよ。



そこで初めて、Aが「母さん恥ずかしいだろ」というようなことを喋った。お前誰だよ。



話をまとめると、Aが来店→私子を見て、「なんて清楚なんだ! 嫁にしたい!」と頭のわいた盛大な勘違い→A母に「結婚したい相手がいる」A母「じゃあ見に行きましょう」→あらよさそうじゃない、これならムチュコちゃんの相手にえらんであげてもいいわ

…ということになったらしい。



私子「あのー、私には彼氏がいますし、突然知らない人と結婚と言われましても…」

A母「彼氏ってなんなのよ! うちの息子を裏切るの!?」

突然A母がぶち切れた。私、ぽかーん。



そこでやっと変だと思った店長が出てきてくれて、丁重にお帰り頂いた。

変な客だったね、気をつけてね、でその場は終わった。


809: 801 2010/05/15(土) 08:54:29 ID:ifqVG9tu0



数日後、私はイケ男と遊ぶために待ち合わせしていた。

イケ男は遠距離の私が寂しくないように、と時々遊んでくれるやさしい人。彼男も「私子と遊んでやって」と公認で、その日は彼男のサプライズバースデーパーティーの計画もかねての食事だった。



待ち合わせ場所で待っていると、なんか見たことある二人組みが…AとA母だった。

え? ストーカー? と慄く私に、普通に話しかけてくる。



A母「あらー、偶然ね。何してるの? 私たちこれから出かけるんだけど、よかったら一緒に行かない? あなたが来るなら、式場とか見に行ってもいいわね」

私子「あの、私本当に結婚する気なんてありませんし、正直言って迷惑です。今日だって、どうしてここにいらっしゃるんですか?」

A母「迷惑ってなんなのよ! 私はあなたのためを思って言ってあげてるのよ!」

私子「いえ、ですから…私には彼氏もいますし、息子さんの事は知らないですから…」

A母「彼氏なんて嘘でしょう? 見栄を張ってるだけなのよねぇ?」



すっげー馬鹿にしたように見下された。

ちなみにAはにやにやしながらこっちを見てるだけ。正直キモイ。



そこにイケ男がやって来た。

イケ男「私子! …あ、こんにちは」

どうやらA親子を私の知り合いだと思ったらしく、律儀に挨拶する。



…と突然、Aが奇声を上げた。「きぇぇぇぇぇぇいぃぃ!」みたいな。びっくりする私とイケ男。



A「お、お前みたいなやつに、私子ちゃんはあげないぞ!」←まじでこう言った。

イケ男「えっ? あ、あの…」

A「私子ちゃんは、俺と結婚するんだぁぁ! 別れろぉぉ!」

どうやらイケ男を彼氏と勘違いした模様。


810: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 08:55:59 ID:ZwGSeXdFP



うわあああああああああ



812: 801 2010/05/15(土) 09:05:46 ID:ifqVG9tu0



私子と彼男の仲のよさを知ってるイケ男は、とっさに「私子がやばいことに巻き込まれた」と悟ったらしい。



イケ男「あの、ちょっと落ち着きましょう」

A「(意味不明にわめく)」

だめだ話にならん。警察呼ぼう。



その時、A母にがしっと腕を掴まれた。びっくりして固まると、ぐいぐいと私の指に指輪をはめてきた。

A母「婚約指輪まで買ったのよぉぉ!」

私子「ひぃぃぃ!」

イケ男「ちょっと! マジでやめてください! 」

私子「警察! イケ男、警察呼んで!」



イケ男はばしっとA母の腕を叩き落すと、私の指から指輪を抜いて投げ捨てた。

イケ男「俺たち婚約してますんで、これ以上彼女に付き纏うなら出るとこ出させてもらいます」

…なんだこの少女マンガ。私ぽかーん。



A親子はそれにひるんで、何か言い訳めいたことを言いながら去って行った。

私とイケ男はその足で警察へ。その後イケ男は彼男に連絡を取ってくれ、彼男は急遽飛行機に乗って会いに来てくれた。



その後私はすぐにバイトをやめた。バイト仲間情報によると、A親子はその後も何度かお店にに通ってたらしいが、私がいなくて諦めたっぽい。家を知られてなかったのが不幸中の幸い。



彼男も無事にこっちの内定をもらい、遠距離解消。今度結婚することになって、イケ男に幹事をお願いした。

(ちなみにそのすぐ後にあるイケ男の結婚式の幹事は私たちがやる。)

厄落としに投下。書いてみたらたいした修羅場じゃなくてごめん。



814: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 09:14:26 ID:ZwGSeXdFP







十分修羅場


815: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 09:19:14 ID:pRStqpbA0



乙乙。

怪物は母に作られるというのは事実なのか。


816: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 09:21:03 ID:GeU/hGQV0



世の中には訳の解らん人がいるんだねぇ。

心からおつかれ。



そして、イケ男GJ、いい友達だ。


820: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 11:04:09 ID:ry5tfuOV0



イケ男かっけええええ

「俺たち(それぞれ)婚約してますんで」ってことになるし

嘘ついてないし、かっけええええええええ



みんな婚約おめでとう!


822: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 12:21:58 ID:gtMcCo3e0



男側から結婚を申し込んだら、女は喜んで三つ指ついて

「ありがとうございます」と頭を下げると思ってる馬鹿未だにいるからなぁw

Aはキモオタマザコンちゃんだったんだなw

818: 恋人は浮気さん 2010/05/15(土) 10:04:40 ID:l7yfvVov0



裏切るの?も怖いが「いやぁね、息子の一目惚れに決まってるじゃない」も怖い…



801夫婦とイケ男夫婦は末永く幸せになーれ(AA略




引用元: ・◇修羅場◇part95